
男性・女性・子供の正しい服装と注意点
葬儀に参列する際の服装には、故人やご遺族に敬意を示すためのマナーがあります。特に喪服の色やデザインには意味があり、正しい服装を選ぶことで故人への哀悼の意を表すことができます。また、女性のネイルに関するマナーなど、細かい点にも気を配ることが重要です。
今回は、男性・女性・子供の服装ついて詳しくご紹介します。
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喪服を着る由来とは?
喪服は、古くから故人に敬意を表し、遺族の悲しみを示すために着用されてきました。喪服を着る習慣の由来には、以下のような意味が込められています。
喪に服するという考え方
「喪に服する」という言葉の通り、葬儀や四十九日などの期間中、遺族や関係者が華美な服装を控え、落ち着いた服装をすることで、故人を悼む気持ちを表していました。この習慣が一般の参列者にも広まり、現在の喪服の形になりました。
故人の霊を弔うための礼儀
古来、日本では「死」は神聖なものであると同時に、不浄なものと考えられていました。特に平安時代には、喪服として「白装束」が着用されており、故人を見送る者としての敬意を表す意味がありました。時代が進むにつれて、現在の「黒の喪服」が一般的になり、故人を静かに偲ぶための服装として定着しました。
黒色が象徴する意味
喪服が黒い理由には、以下のような意味があります。
悲しみを表す色(日本では黒=厳粛・弔いの色)
華やかさを抑え、控えめな印象を与える
故人を尊重し、目立たない服装をするため
こうした歴史的背景を知ることで、喪服の大切さを再認識することができます。
男性の服装マナー
基本の服装(準喪服)
一般の参列者として適切な服装は「準喪服」です。
ブラックスーツ(シングル・ダブル可)
白無地のワイシャツ
黒無地のネクタイ(光沢のないもの)
黒無地の靴下
黒い革靴(光沢なし)
注意点
ネクタイピンや派手な装飾は避ける
ポケットチーフは不要
腕時計はシンプルなデザインにする
コートやマフラーは会場の外で脱ぐ
女性の服装マナーとネイルの対処法
基本の服装(準喪服)
黒のワンピース・スーツ・アンサンブル(膝が隠れる丈)
黒のストッキング(柄なし)
黒のパンプス(光沢なし・シンプルなデザイン)
黒のハンドバッグ(光沢や金具が少ないもの)
注意点
肌の露出を控える(ノースリーブ・ミニスカートはNG)
アクセサリーは基本的に不要(結婚指輪・真珠の一連ネックレスは可)
髪型はシンプルにまとめ、派手なヘアアクセサリーは避ける
メイクはナチュラルにする(濃い口紅やラメ入りは避ける)
ネイルをしている場合の対処法
現代ではジェルネイルやネイルアートをしている方も多いですが、葬儀の場では控えめな手元が望ましいとされています。もし派手なネイルをしている場合は、以下の方法で対処しましょう。
- ネイルを落とせる場合
可能であれば、リムーバーでネイルを落とし、自然な爪の状態にして参列するのがベストです。
落とせない場合の対処法
・ベージュやヌードカラーのネイルに塗り直す
・黒やグレーのネイルシールでカバーする
・手袋(黒の薄手のもの)を着用する(夏場は控えめなデザインのもの)
派手なネイルは目立ちやすいため、できるだけ落ち着いた色にするか、シンプルなネイルに整えましょう。
子供の服装マナー
基本の服装(男の子)
白シャツに黒または濃紺のズボン
黒や紺のジャケット(持っていれば)
黒や紺の靴下と靴(シンプルなスニーカーでも可)
基本の服装(女の子)
黒や濃紺のワンピースまたはスカート
白や黒のブラウス
黒や紺の靴下・タイツとシンプルな靴
注意点
明るい色やキャラクター柄は避ける
靴は派手な装飾のないシンプルなものにする
赤やピンクなどの目立つ色の服は控える
完全な喪服が用意できない場合でも、落ち着いた色の服を選ぶことが大切です。
その他の注意点
小物や持ち物のマナー
バッグは黒無地のシンプルなもの(ブランドロゴが目立つものは避ける)
数珠を持参する(宗派によって異なるため確認が必要)
ハンカチは白または黒が基本(派手な柄は避ける)
冬場の服装の注意点
コートやマフラーは黒・グレー・紺などの落ち着いた色を選ぶ
コート類は式場に入る前に脱ぐのがマナー
まとめ
葬儀は故人を偲び、ご遺族に哀悼の意を伝える場です。服装はその場の礼儀として大切な要素であり、適切な服装を心がけることで、故人やご遺族に敬意を示すことができます。
また、喪服には「故人を悼む」という深い意味が込められており、その由来を理解した上で服装を選ぶことが大切です。女性のネイルについても、可能な限りシンプルなものに整え、場にふさわしい装いを心がけましょう。
適切な服装を選び、心を込めて故人をお見送りしましょう。